本コラムで歯周病の発症メカニズムを紹介しました。磨き残しと歯垢内細菌により生じた炎症が、歯ぐき、顎の骨へと波及していきます。それをさらに放置するとどうなるでしょう?
実は、歯周病から糖尿病が引き起こされることが知られています。
健康状態では、ご飯を食べると膵臓からインシュリンというホルモンが放出され、血液に入った糖分(血糖)をエネルギーとして利用します。歯周病を含む慢性炎症が長引くと、炎症性サイトカインという物質が血液中に産生されます。この炎症性サイトカインはインシュリンの働きを阻害し、これによって、血糖値が上昇し、糖尿病になってしまうのです。
1997年に米国バッファロー大学のグループが、歯周病を治療すると血糖の程度を表すグリコヘモグロビン値(HbA1c値)が1%も低下する、という研究結果を発表しました。
糖尿病が長引くと、失明したり(糖尿病性網膜症)腎臓が働かなくなったり(糖尿病性腎症)します。そんなことにならないためにも、お口の中を綺麗に歯磨きし、歯周病を防ぐよう、気を付けましょう。
遠藤歯科医院
院長遠藤隆一
台東区上野5-14-4
TEL 03-3831-6066 begin_of_the_skype_highlighting 03-3831-6066 end_of_the_skype_highlighting
FAX 03-3836-0880