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≪おもひで篇 その一≫ 「門に入るから入門っていうんだなあ、きっと」



 じけいにゃんは、かつて一年間、京都にある本山(※)に修行に 行きました。これはその時のお話です。
某年3月31日。入学式の前日であるこの日、じけいにゃんは ひとり、京都駅に降り立ちました。
「あ~ドキドキするにゃ。本山ってどんな所かにゃ。」
たくさんあるバスの乗り場から本山へ向かうバスを探して乗ります。10分くらい乗っていると大通りの突き当りに大きな門が見えてきました。
「あ、もう着いちゃうにゃ。本山っていうくらいだから山の中にあるのかと思ったら普通に町の中にあるにゃ。」 バスを降りると、じけいにゃんはあらためて大きな門を見上げました。
一度この門の中に入ったら、一年間は自由に外の世界に出られません。そんなところで果たしてゆるアマなじけいにゃんはこの先ちゃんとやっていけるのでしょうか? (つづく)

 ※本山・・・会社に例えていうなら、全国各地にある小さいお寺が支社で、本山は本社みたいな
ものです。新入社員が本社でトレーニングを受けてから支社に配属されるように、お坊さん
としてお寺のつとめをするためには、まず本山で基本的な事を教わらなくてはいけないのです。

(これはとある市川のお寺の小坊主の日記です)