前回、歯、歯の周りの組織、舌、頬粘膜などの働きが低下すると、食塊が食道ではなく気道から肺に入り(誤嚥・ごえん)、肺炎を起してしまうことを紹介しました。
何故それ程頻繁に誤嚥が発生するのでしょう?
我々人類はサルやチンパンジーと比べ、「咽頭腔(いんとうくう)」という部分が上下に大きいのです。お陰で複雑な発音・発声が可能となり、言語が発達しました。
しかし、食塊が気道に入る危険性も増加したのです。サルやチンパンジーは会話が出来ない代わりに、ムセることもありません。すなわち、誤嚥はこの世に「会話」、「噺家」を生み出した代償といえます。
1992年にニューヨーク州立大学のグループが肺炎患者の呼吸器官に歯垢細菌が常在していることを発表し、誤嚥性肺炎の予防に歯磨きが重要であることを明らかにしました。
口の中には100億匹の細菌が住み着いています。歯磨きを怠ることにより、それらの菌が肺に侵入するということはとても危険なことなのです。
誤嚥を防ぐにはまず歯磨き。歯磨き指導を行う歯医者との「ご縁」も大切に。お後がよろしいようで。
遠藤歯科医院
院長遠藤隆一
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