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ヤル気を科学

みなさ~ん、こんにちは。“社員のやる気を引き出す男”石川でーす。

前回は動機づけ要因を考えましょうということでお話をしました。それは心の報酬であり、それらが自然とできる組織風土づくりが大事です、と締めくくりました。
具体的にはどんな手法があるかということですが、そのひとつを紹介いたします。

それは、『ESクレドを使った組織改革』というものです。さ~て、“クレド”って聞きなれない言葉ですよね。ここで、「クレドとは何ぞや」を説明していきます。

“クレド”とは…「信条」を意味するラテン語で、「企業の信条や行動指針を簡潔に記したもの」という意味で使っていきます。この“クレド”は大企業を中心とし、主にサービス業に取り入れられ、徐々に浸透してきています。

昨年の日本経済新聞(2010年4月16日発行)の記事では日本球界でもクレドが導入されたと報じており、西武球団及び楽天球団の内容が紹介されていました。

このように、大企業で広がりつつありますが、これはむしろ小さい企業のほうがやり易く、効果も見え易いかと思います。

それでは、「クレド」とはどのようなものなのでしょうか。今や、物が溢れ、インターネットの普及により情報が溢れ、又、各種機関の発達でもの凄いスピードで移りゆく状況で、何を拠り所に考えたらよいのか、そしてその答えもすぐに求められ、どのように対処したら良いのか、と悩む事もあるのではないでしょうか。

そして、それは仕事でも同じ事で、ある事柄を即決断しなければならないことがよくあります。このような時に心の拠り所となり、方向性がブレないためのものが「クレド」なのです。

ここで「マニュアル」と比較してみたいと思います。「マニュアル」は、今やどのような会社でも必要で使っていると考えられますが、これは製造工場の生産ラインにおいて、あるいはサービス業の接客において等、ひとつの状況を設定しその時の行動を指示するものです。つまり、その時の『行動を指図』するものです。

これに対して「クレド」はいろいろな場面がありますが、行動するための考え方を記してあるものなのです。

つまり、マニュアルが「行動そのものを指示」するのに対して、クレドは「行動する考え方を指示」するものなのです。

例えば、「クレド」では、「全てはお客様のために」と書かれていたとします。するとそれをみた社員はどういう行動をするでしょうか?少なくとも、お客様はなにを望んでいるのか、何をして差し上げたら喜んで頂けるのか、ということを考えながら接客するのではないでしょうか。このように、何をしたら良いか?を自律的に考え、行動に移すためのツールが「クレド」なのです。

次号ではもう少し具体的な例を交えながら『ESクレドを使った組織改革』
の話を進めていきたいと思います。


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